金具パーツの修理・複製の6つの事例~腕時計のパーツやコートのボタンなど~
2017/10/25
金具パーツの修理・複製の6つの事例~腕時計のパーツやコートのボタンなど~
杉原産業は、「金具パーツのことならなんでもご相談ください!」というのがモットーです。
お客様からは、日々色々なご相談をいただいておりますが、その内容は製作だけにとどまりません。
- ・「先のお客様からお預かりした商品を壊してしまって、困り果てている」
- ・「作り直しをしたい部品があるが、元のメーカーが見つからない」
など、金具パーツの修理に関するお悩みを持っていらっしゃるお客様も多くいらっしゃいます。
ある金具パーツを「元通りにしたい!」あるいは「同じように使えるものが欲しい!」という気持ちは、時に「作りたい!」という気持ちよりも強いことがあります。
しかし、修理の場合ロット数が多くても数個であること、予算がないこと、設計図面がないことなどを理由に、他社では引き受けてもらえないことが多いらしいのです。
杉原産業では、お客様の「壊れた! 困った!」に出来るだけ対応できるように、頑張らせていただいております。
今回の記事では、そんな杉原産業が修理・複製してきた金具の事例を7つピックアップしたいと思います。
- 1.腕時計のオリジナル留め金具を修理して取り付け
- 2.紛失したコートのボタンを生地の跡からイメージして復元
- 3.壊れてしまったけど修理が難しい金具を急ぎで複製
- 4.クリーニング屋さんが預かって壊れてしまった金具を修理
- 5.折れたハンドルを元の形状そのままに復元
- 6.全体的に錆びて修理が必要なチェーンをステンレスで新しく作り替え
1.腕時計のオリジナル留め金具を修理して取り付け
チタン製オリジナル腕時計の留め金具の修理を依頼されたことがあります。
様々な加工業者に相談をしたものの、断られ続けてしまい、ダメ元で杉原産業にお問い合わせの電話をくださったとのことでした。
世界に1つだけのオリジナル腕時計であるが故に、思い入れは深く、何とか留め金具を修理して、今後も使い続けたいのだというお話でした。
留め金具が機能しなくなっていた原因は、長年愛用したことによる金属の摩耗でした。
思い入れのある今の時計のパーツを外さないようにするために、ベルトに穴を開けて、その穴の中に小さなパイプをはめ込み、さらに長さを調整したネジを入れました。
ネジを最後まで回した時にガチっと留まる状態、少し回しただけで緩めた状態になるような計算で調整を行っています。
腕時計の留め金具の修理がうまくいったことをお伝えし、現物を確認していただくと、「完璧です!」と大変喜んでくださいました。
たった1箇所の修理ではありますが、心をこめて行い、お客様に喜んでいただいた事例です。
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2.紛失したコートのボタンを生地の跡からイメージして復元
珍しい製作の事例として、当サイトでも何回かご紹介させていただいた事例です。
このコートのボタンの修理事例は、修理というより、”ほとんど手掛かりが無い所からの復元”になります。
このコートも、お客様が愛用されているもので、「まだ着たい!」と思ってボタン屋さんにあたってみても、どうにもならず困っていたということでした。
ボタンは破損ではなく紛失だったので、元の形状はわからず、コート生地のボタンの跡などから、ボタンの形状をイメージして、作りました。
切削や挽物加工のノウハウを活かし、なめらかでキレイかつ、機能的なコートのボタンを復元しました。
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3.壊れてしまったけど修理が難しい金具を急ぎで複製
壊れてしまった機械のパーツを、急ぎで製作した事例です。
依頼をくださったのは某修理メーカー様からですが、先のお客様からいただいた部品の修理がなかなか難しく、大変困っておられました。
実際に取り付けられる機械のことは詳しく伺っていないのですが、先のお客様(とある機械メーカー様)いわく、「このパーツが無いと機械が動かない!」というくらいに重要なパーツだということでした。
直接機械メーカーからいただいたサンプルを参考にしながら、ステンレスを切削加工し、全部で3つのパーツを複製しました。
機械パーツは3日以内に納品することができ、お客様にも「とても助かった!」とお声をいただくことができました。
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4.クリーニング屋さんが預かって壊れてしまった金具を修理
某クリーニング屋さんから頂いた、舞台用衣装の付属品の修理の事例です。
先のお客様からお預かりした衣装の肩章を、誤って壊してしまい、「本当にどうしたらいいか困っている」とお問い合わせをいただきました。
裏側の金具が、写真のようにひん曲がってしまっていたのです。
「金具自体は表から見える物ではないので、デザインは変わっても構わない」と指示がありましたので、”きちんと衣装に取り付くこと”を意識して、修理を行いました。ステンレス素材を使用しています。
無事元通りに肩章を修理することができ、「無理を承知で頼んだのに、キレイに戻って本当によかったです・・・・・・!」と喜んでいただけた事例でした。
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5.折れたハンドルを元の形状そのままに復元
車のアウターハンドル(運転席の外側についている、ガチャッと手前にひいてドアを開けるためのハンドル)を複製したことがあります。
運転席のドアを開けるためのアウターハンドルでしたので、壊れたままだと非常に不便です。
たった1つだけの複製でしたが、大変お困りだったお客様のために、「弊社で何とかします!」と依頼を受けさせていただきました。
結果的に、ロストワックス鋳造で、同じ形かつ強度の高いアウターハンドルを複製することができました。
鏡のようにピカピカになるメッキ加工を行い、車に取り付けても違和感のない仕上がりです。
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6.全体的に錆びて修理が必要なチェーンをステンレスで新しく作り替え
「腐食してしまった鉄製チェーンを修理したい」とご相談がありました。
鉄製チェーンは屋外の立体駐車場に使用しているもので、雨風の影響を受けてどうしても錆びてしまうとのことでした。
全体的に錆びてしまっていて、一部を修理して使うことは難しいと考えられます。
そこでこの時は、鉄ではなく、錆びにくいステンレスで、チェーンの作り替えを行うことになりました。
チェーン自体はそのまま仕入れることができるので、杉原産業ではチェーンの切断およびSカンの製作をしています。
ステンレスは金属の中でも硬い部類に入るので、手作業で曲げていくのはなかなか難しく、職人ならではの技術が必要になります。
結果、これまでよりも錆びにくく高品質のチェーンを納品することができました!
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オリジナル金具の修理・複製に共通しやすいこと
これまで6つの、金具パーツの修理および複製事例を紹介してきました。
オリジナルの金具パーツの修理や複製を依頼されるときによくお聞きするのは、「他社では断られてしまった」ということや、「1つしかないんだけど大丈夫ですか?」ということです。
壊れる前の設計図がないと無理だと断られたり、1つや2つの極小ロットの製作は請け負っていないと断られるケースが多いようです。
杉原産業では、そんなお客様の「困った!」にできるだけお応えし、お客様の喜ぶ顔が見たいのです。
修理ができるものはキレイに修理を、新しく作り替えが必要なものは複製を、提案させていただきたいと思います。
「ダメでもともと」でも構いません、もしかしたら力になれるかもしれませんので、まずはお問い合わせいただければと思います。
オリジナル金具パーツの修理・複製なら杉原産業まで!