折れた運転席のハンドルを1つだけ製作
2016/10/28
折れた運転席のハンドルを1つだけ製作
「運転席のハンドルが折れてしまったので、何とか再現して作ってもらえませんか?」とご依頼がありました。
折れたハンドルはTOYOTAの車のアウターハンドルです。運転席の外側についている、ガチャッと手前にひいてドアを開けるためのハンドル、それが折れてしまったとのことでした。
アウターハンドルが折れてしまったのは、おそらく経年による劣化が原因でしょう。「金属疲労」という言葉にもあるように、長い期間、何度も車のドアを開け閉めしてきたので、ある一点ばかりに力がかかってバキッと折れてしまったのかもしれません。
運転席のドアは、当然ながらもっとも開け閉めする機会が多いドアです。ここのドアのアウターハンドルが開け閉めできないなんて、不便どころの話ではありません。
大層お困りのお客様のために、「いいですよ、やれますよー!」と、喜んでご依頼を受けさせていただきました。
ロストワックス鋳造で強度の高いハンドルを製作
折れてしまった元のアウターハンドルは、亜鉛系金属の鋳物(いもの)でした。試しに磁石を近づけてみたのですが、くっつくことはなかったので鉄ではないでしょう。
新しいアウターハンドルの素材は真鍮です。元のアウターハンドルと同じく、鋳物(ロストワックス鋳造)で製作しています。
ロストワックス鋳造で作った鋳物は、溶接で作った部品と比べて、強度が充分にあります。細かい部品同士も一体化して鋳造するので、組み立てが必要なく、余分な継ぎ目ができないのが強度の理由です。
割れた部分の形を推測してきちんと復元したことがポイント
※写真上:ロストワックス鋳造で作ったハンドル
写真下:折れてしまった元のハンドル
一番苦労したのは、元のハンドルの形を再現することです。割れてしまったところもどんな形だったのが推測し、折れてしまったハンドルが「折れる前」の状態を復元できるように努力しました。
上の写真のように、生地が出来た段階でお客様に「こんな感じで、同じ形に仕上げることができましたけど、どうですかー?」と確認のご連絡を取らせていただきました。
そして、お客様から「OKです!」とGOサインをいただいてから、表面をキレイにメッキ加工させていただきました。
メッキ加工をしたことで、よく磨いた鏡のようにピカピカキレイになりました。お客様にも、納得していただけて何よりです。
お仕事用のお車か、プライベート用のお車かは存じませんが、キレイになったアウターハンドルで、これからも気持ち良く乗車していただけたらと思います!
車のドアハンドルの製作も杉原産業にお任せください!