破損してしまった衣装の金具を修理 北海道
2017/03/27
破損してしまった衣装の金具を修理 北海道
北海道のクリーニング屋さんから、「大変困っています」と、大阪の杉原産業までお問い合わせがありました。
写真に写っているのは、ある舞台で着用される衣装の肩章です。
クリーニング屋さんの方で、舞台衣装をお預かりしたのですが、そのクリーニングを行った歳に、肩章の裏の取り付け用金具が、写真のようにひん曲がって破損してしまったそうです。
新しい金具を探されたそうですが、舞台衣装を縫製された会社は現在倒産していたため、まったく同じ金具を入手することが出来なかったそうです。
そこで、破損前と同じように金具を修理してくれる業者を探されたそうですが、やはり見つからなかったとのことでした。
今回、杉原産業までお問い合わせをくださったのも、「ダメでもともと……」と仰られていました。
お預かりした大切な衣装の金具を破損させてしまったことで、本当にお困りだった様子でしたので、何とか力になることはできないかと思い、金具の修理のご依頼を受けさせていただきました。
破損していない金具を参考に、ステンレス素材の金具を修理
金具の修理は、図面ではなく、クリーニング屋さんがお借りしてくれた、唯一破損していない金具を参考にして、行いました。
金具の素材は、ステンレスのバネ材です。
写真の一番右が、見本にお借りした物です。
肩章の内部に隠れる部分は、多少違っても構わないとのことでしたので、用途として元通りに使えるように意識して、新しい取り付け用金具を製作させていただきました。
肩章に白カビもあり、再び金具が壊れるリスクがあるのでクリーニングも行ってから納品
修理の際に、肩章本体から金具の取り付いている皮を取り外す必要がありましたが、肩章本体を傷めてしまわないように十分注意して、取り外しを行いました。
また、肩章には白カビが生えてしまっており、そのまま新しい金具を付けて返却し、クリーニングを行っても、また金具が壊れてしまうリスクがありましたので、今回は金具の修理のついでにクリーニングも行わせていただきました。
壊れてしまったのは裏の金具なので、当然といえば当然ですが、表から見ると肩章が壊れていたことが分からないくらい、綺麗に修理を行うことができました。
お客様からは、「修理出来ないと思って、無理を承知で頼んでみたのに、キレイに修理してもらえたので、本当に驚きました。大切なお客様の衣装の金具が元通り使えるようになり、本当に良かったです」と、感謝の言葉を頂戴することができました。
元の舞台衣装の持ち主様にも、ご納得いただければ幸いです!