医療器具の電力を流す接続金具の製作
2017/01/26
医療器具の電力を流す接続金具の製作
今回は医療器具に利用する電気を流しやすい金具の製作を行わせていただきましたが、実はすぐに金具の製作を行ったわけではなく、ちょっとした経緯があります。
元々、お客様からはバネやヒートン、ゴムなどの細かいパーツの製作依頼を、順々にいただいておりました。
しかし、思うような成果がでなかったのか、バネの次はヒートン、ヒートンの次はゴムと依頼があり、なにかを開発しているのかな?と思ったので、「一体何をお作りになられているんですか?」と、お客様にお伺いしてみると、作っているのは医療器具用の電機を通すためのワイヤーだということでした。
ただ、そのワイヤーの電力の流れが悪く、どんなパーツを取付けるのが良いのかわからず、困っておられるようでした。
目的さえ聞く事ができれば電気の流れの良い接続金具を作ることは大抵可能なので、「ウチでやってみましょうか?」とご提案させていただきました。
それから「では、お願いいたします!!」ということで、今回の金のエイトカンを作ることになったのです。
シンプルな小さいエイトカンを採用
お客様は当初、無理やりくっつける形を取ろうとしておられ、それでも思うように電気が流れていなかったようです。
だったら、ただ電気の出るところに当たれば問題ないと思い、電気を効率良く流す為に、どんな風に取付けるのが良いのか悩みましたが、シンプルにエイトカンにして引っ掛けるので良いんじゃないか?と思って真鍮でエイトカンのサンプルを製作をしました。
そして製作したエイトカンのサンプルをお客様にお送りして確認いただいたところ、よく電気が流れます!という事で、気に入って頂けました。
ただもう少し電力の流れをよくしようと考え、真鍮よりも電気を流しやすい伝導金属の金を使ってエイトカンを利用しました。
金は滅菌効果があるので医療器具のパーツにピッタリ
金を採用した理由は、電気の通しやすさだけでなく、金特有の滅菌作用です。
どんな菌が付着するか分からないのが医療器具なので、衛生面の考慮も非常に重要になってきます。
そういった事を考えると金は滅菌面と電流の流れやすさの面の2つの面で今回の製作の条件にピッタリです。
加工方法は特殊プレス加工?
縦2mm、横3mmの極小エイトカンは、特殊なプレス加工で仕上げています。
約100本のエイトカンをワイヤーに2個ずつ取り付けて、電流がきちんと流れるか検品を行って合格したものを、お客様に納品させていただきました。
ご依頼をくださったお客様からも、「とてもよく電流が流れていくのでいいですね!! これから量産しようと思いますので、その製作もぜひお願いいたします」と嬉しいお声をいただくことができました。
エイトカンなど細かいパーツの製作も杉原産業まで!!